監修/東京医科歯科大学・理学博士

金城 典子(きんじょう のりこ)

監修者プロフィール

 理学博士(東京大学)東京医科歯科大学教養学部教官・国立精神衛生センター国府台病院付属高等看護学校非常勤講師、盛岡生まれ。高校時代に山岳部に所属し週末は岩手山や早池峰山へ山登りをしたり、夏合宿で奥羽山脈縦走をした経験がある。東北地方の山々には見事なブナの原生林が広がり、舞茸も発生し、野生きのこが豊富なことで有名である。山登りを通じて大自然の中における菌類、きのこを観察してきた。今は海外にも出かけて調査をしている。特に中国における真菌類調査では、福建省武夷山麓の台江、虎渓山他の海抜180mから、雲南省、四川省及び青海省の海抜3,000〜5,000mへ行き、高山帯に生息する菌類(茸)特に冬虫夏草について中国の研究者達と共同研究を行っている。

 現在、応用きのこ学会評議員、日本菌学会評議員・幹事、漢法科学財団理事、中国陜西省西郷県人民政府食用菌生産顧問。

 研究課題:真菌類の分類と分布及び菌類からの生理活性物質の検索。

東京医科歯科大学・理学博士 金城典子

〔最近の主な論文・著書〕

  • Effects of the Mycelial Extract of Cultured Cordyceps Sinensis on In Vivo Hepatic Energy Metabolism in the Mouse. Jan.J,Pharmaco.70,85-88(1996)
  • 冬虫夏草模式標本的研究、雲南植物研究18(2):205-208(1996)
  • Agaricales in Evergreen Oak Forersts of East Asia. Acta Edulis Fungi 3(2)62-64 中国(1996)
  • Notes on the alpine Cordyceps of China and nearby naetions Mycontaxon 66:215-229(1998)

 その他、菌類の脂質成分に関する論文、抗腫瘍性に関する論文有(共同研究含)また、健康の科学、霊之健康読本(1997年、東洋医学書)分担執筆、’98きのこ年鑑(1997年、農村文化社)分担執筆、最新きのこハンドブック(1998年、朝倉書店)分担執筆他。

「菌食」の推奨、パート1 -マイタケ-

 私がマイタケの製造者の方とお会いしたのは、きのこ技術集談会(現在の日本応用きのこ学会の前身)の懇親会会場でありました。当時、私は懇親会幹事を担当しており、お酒が取り持つ縁で、合同酒精株式会社で「マイタケ」の生産をしていることを知りました。この時の話題はキノコの生態学的なことから栽培キノコになり、さっそく賞味するチャンスに恵まれました。そして、お送り頂いた荷を解いたとき、二株の立派な「マイタケ」に驚き、まさに蝶が舞うごとくの姿に見入ってしまいました。これと同時に、これぞ深山の「マイタケ」の薫りか!しばらくその薫りに浸ってしまいました。

 現在、スーパーマーケット等の店先で見かける「マイタケ」は一定量に刻まれ、パック入りされています。ぜひ、このようなきのこ本来の姿で薫りの良いものを供して欲しいと、切に願ってしまいました。

マイタケはどうして体にいいの

 「四訂日本食品標準表」によれば、表1に示すようにキノコの主な成分は水分80〜96%でありますが、キノコ類には多種多様な成分が含まれております。

 他のキノコと蛋白質について比較して見ますと、マッシュルーム47.1%(乾物)に次いでマイタケは41.1%(乾物)とシイタケの22.7%(乾物)の順になっており、高蛋白質のキノコであります。これは、美味しさや機能に影響を与えます。

 マイタケの成分には蛋白質が沢山含まれるばかりでなく、βーグルカン(β1-6、β1-3)と呼ばれる多糖体が沢山含まれています。これは食物繊維の仲間でありますが、長年の研究の結果、抗ガン効果のある他のキノコに比べても免疫力を非常に高めることがわかりました。

 旨み成分でありますアミノ酸やビタミン、特にビタミンDの前駆物質となるエルゴステロールも沢山含んでおり、色々な効果をもたらします。

「栃の木・まいたけ」傘は肉厚で、しっかりした歯ごたえ

四訂日本食品標準表による「きのこ類」成分表

 

食 品 名 可食部100gあたり














炭水化物




kcal kJ (・・・・・・・・・・g・・・・・・・・・・)
まいたけ(生) - - 91.0 3.7 0.7 2.4 1.4 0.4
マッシュルーム(生) - - 91.8 3.9 0.5 1.7 0.8 1.3
まつたけ(生) - - 88.3 2.0 0.6 7.3 0.9 0.9
えのきたけ(生) - - 89.7 2.7 0.5 5.4 0.9 0.9
黒きくらげ(乾) - - 13.7 9.0 1.0 60.7 11.0 4.6
なめこ(生) - - 96.0 1.1 0.2 2.2 0.3 0.2

 

免疫システムの強化「まいたけ」の優れた力

免疫システムの強化

 舞茸(まいたけ)には前述しましたように、βグルカンが多く含まれています。マウスを用いた実験では舞茸の粉末や舞茸の熱水抽出して得られた多糖体(βグルカン)が免疫機能を高め活性化し、癌細胞の増殖を抑制したり、癌予防効果などの成果が報告されています。また、免疫機能が高まることにより、エイズにも効果が認められるなど、米国においても注目されている。予防食品の一つであります。

血圧降下作用

 古来よりキノコ類、特にサルノコシカケ科のキノコには血圧を下げる効果があるといわれ、舞茸もその効果が報告されております。舞茸の抽出液をお茶のように飲んで、血圧が180ほどあった人が130前後で落ち着いた等の意見も実際に表れております。

血糖降下作用

 糖尿あるいは糖尿予備群の人は血糖値が高く、食事療法を行っても、なかなか下がりません。舞茸は通常の食事の中に組み入れることもできますし、煎じ汁を飲用もしくはスープや煮物に使うなどして、ごく自然に取ることができ、高血糖値の人が120mg/dl前後になり安定しているなど優れた食品として評価されます。

マイタケ(舞茸)名称の由来

 マイタケ(舞茸 Grifola Frondosa S.F.Gray)を見つけた人は嬉しくて思わず舞い踊ってしまう程、見事に大きな株(野生では20〜30Kg)であったり、食べても薫り、味がよく、歯切れも素晴らしくよいところから付けられたと言われております。

 大部分のきのこは担子菌類(Basidiomycetes)に属しており、全世界には4,000〜5,000種類あるのではと言われております。

 マイタケも担子菌類(Basidiomycetes)に属し、さらに分類を進めるとヒダナシタケ目(Aphyllophorales)、サルノコシカケ科(Polyporaceae)に属するきのこにはきのこの煎液や熱水抽出物に種々の薬効のあることが古来から言い伝えられているものが含まれています。マイタケは先に述べたように、美味で食用きのことして、また種々の薬効のあることがわかっていますのでまさに医食同源のことば通り、食べて健康を保つ、一石二鳥の食品として注目されています。

 現在では、春夏秋冬(周年栽培)の成功によって四季を問わず食べられ、皆様の食卓に親しまれています。

〔栃の木・まいたけ〕の良いところ

 「おいしさ」は味、香り、食感(歯ごたえ、歯触り、喉ごし)、色調などで決まります。

旨さが違う

 「栃の木・まいたけ」には旨さの素、アミノ酸から構成される蛋白質がたくさん含まれております。これが味の良さを引き立てているのです。

香りが違う

 香りは人により感じかたが違いますが、「栃の木・まいたけ」は他のものに比べ、酸化臭(日向臭い、または、油やけの臭い)が付き難く、深山のキノコの良い香りを保っています。

歯ごたえが違う

 キノコの傘(マイタケの葉)の厚みが大きく、歯応えが有り、しっかりとした噛みごこちが得られます。

色が違う

 傘の色が薄く、煮汁の色が気になりません。マイタケご飯にしてもほど良い色で、煮物、炒めもの、お汁に入れても真っ黒な色にならずにおいしくいただけます。

日本食品分析センターによる「栃の木・まいたけ」分析結果

分析試験項目 結果 検出限界 分析方法
水分
たんぱく質
脂質
繊維
灰分
糖質
β-グルカン
ヒ素(As2O2として)
重金属(Pbとsて)

一般細菌数(生菌数)
大腸菌群
サルモネラ
92.8%
2.1%
0.1%
1.6%
0.5%
2.9%
1.7%
検出せず
2.6ppm
検出せず
5.6×102/g
陰性/0.1g
陰性/25g







0.1ppm

0.05ppm


1



2





常圧加熱乾燥法
ケルダール法
酸分解法
ヘンネベルグストーマン改良法
直接灰化法

酸素法
DDTC-Ag吸光光度法
硫化ナトリウム比色法
原子吸光光度法
標準寒天平板培養法
デソキシコレート寒天平板培養法
増菌培養法

 

食 品 名 可食部100gあたり














炭水化物




kcal kJ (・・・・・・・・・・g・・・・・・・・・・)
栃の木・まいたけ(生) - - 92.8 2.1 0.1 2.9 1.6 0.5
一般のまいたけ(生) - - 91.0 3.7 0.7 2.4 1.4 0.3

〔栃の木・まいたけ〕の特徴

  1. 農薬を一切使用しない有機無農薬栽培。完全殺菌の製造特許申請済。
  2. 傘は肉厚で、しっかりした歯ごたえです。
  3. 従来品に比べ、苦み少なく甘味を呈する美味しさです。
  4. 完全空調環境下により、1年を通じてお届けできます。
  5. 保存は、常温(20℃)で室内で約3日(夏場)、冷蔵庫内で約1週間程度可能。
  6. 酸化臭少なく、ここち良い香りにアミノ酸・核酸等の成分豊富。
  7. 従来品の煮汁の色合いの約半分。茸ごはん・吸いもの・スープにしても殆ど黒くなりません。
  8. 従来品の黒色に比べ、灰褐色で天然物に近い色合いです。

〔栃の木・まいたけ〕の製造工程

  1. 原料:広葉樹オガ粉(主にブナ・ナラ・クヌギ)・米糠・麩・とうもろこし等。
  2. 混合調整:原料を計量、地下水を添加。
  3. 培地形成:調整された原材料を連続形成詰機により、PPガセット袋に詰め込み形成。
  4. 殺菌:約120度の高温加圧蒸気により完全殺菌、農薬は一切使わない有機無農薬栽培。
  5. 冷却:室温まで冷却室にて冷却。
  6. 接種:クリーンルーム内で、舞茸種菌を接種。
  7. 培養:培養室内にて、雑菌が全く入らないよう開発されたバイオバッグの中で、舞茸菌の育成適温である20〜25度で約55日間菌を繁殖させる。
  8. 育成:加湿された室内(完全空調環境下)に移動した菌床より発生した、舞茸の芽を育成。
  9. 収穫:約2週間、茸の傘が開き舞茸の胞子が充実する直前が収穫期。
  10. 出荷:お客様へのお届けは、発泡スチロールケースにて慎重な包装形態としています。


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完全空調下の菌床より発生した「栃の木・まいたけ」

おわりに

 食用きのこ「まいたけ」の存在を知ったのは、まだ私が学生時代で、「発酵工学や応用微生物」の研究の一つとしてチーズを造るときに必要な酵素であるレンネット(凝乳酵素)をキノコから発酵生産しようとして研究していたことから端を発している。
 1972年10月、発酵生産の研究の傍ら、教授の受託した企業依頼の茸の生産研究(当時、公害問題が各所でクローズアップ、企業から出て来る余剰物、副産物の有効利用の研究であった)を行っており、茸の生産研究で有名である(財)日本きのこ研究所(群馬県桐生市)深井先生を訪ねた折、「幻のきのこマイタケ」を研究中で原木栽培に成功したことを教えて頂いた時でありました。その後、5年程して北関東周辺山々の秋に高価な観光みやげ物として登場し、一般の人たちも食べられるようになりました。

 更に、10年余り、菌床栽培技術の開花によって周年栽培が可能となり、春夏秋冬、和洋中華何れにでもあう食材として食卓を賑わす商品となりました。

 一口に「マイタケ」といっても親菌が違い、栽培方法が異なれば味、香り、姿が異なってまいります。飽食の時代、香り高い、旨い、そして健康に配慮した食材を提供すべく努力しております。

(合同酒精株式会社 きのこ事業部 小林文男)